有機野菜、無農薬野菜、減農薬野菜って・・・?

実家の藤野では、父が畑をやっています。
採れたての野菜は格別。でも農薬(除草剤も)を使わないので、苦労も多いようです。

スナップエンドウの収穫小
3歳の息子も、スナップエンドウの収穫のお手伝い。

ソラマメ小
そら豆は、皮も柔らかくて本当に美味しい!! 初めて食べたときは衝撃が走るほどでした。


ふと、疑問に思って父に聞いてみました。「どんな肥料を使っているの?」
すると意外な答えが返ってきました。「ほとんどが堆肥、少し豚糞(とんぷん)、それに化成肥料をほんの少し。」
「・・・えーっ?!化成肥料って、化学的な肥料でしょ?!」
「そうだけど、ほんとに少しだけね。育つ勢いが違ってくる。」
―――私は、愕然としました。正直言って、がっかりしました。化成肥料を使っているということは、化学調味料を入れて料理しているのと同じことではないか、と。

しかし、実際、父の畑の野菜はかなり美味しいのです。そこで、化成肥料や農薬って、本当に”有害”なのか。調べてみることにしました。


〇「有機農産物」
要約すると、種まきまたは植え付け前2年以上化学的に合成された肥料、農薬を使用していない田畑で、栽培中もこれらを使用せず、堆肥など(有機質肥料)土作りをして栽培すること、および遺伝子組み換え技術を使用しないこと、となります。一時たいへん紛らわしい産物が多く出回ったので、2001年4月からは”有機農産物””オーガニック”と表示するには有機JASマークを貼ることが義務付けられました。このマークを貼るには、定められた基準を満たし、検査員による検査を受け、第三者機関である認定機関から有機認定を取得しなければならないため、とにかくお金がかかります。だから産物は高くなるのです。

〇「特別栽培農産物」
かつて「無農薬」「減農薬」「無化学肥料」「減化学肥料」という呼称が横行し、信頼性も低かったため、2004年1月以降の新ガイドラインで策定された呼び名。化学合成農薬、化学合成農薬を慣行栽培(地方公共団体が制定・確認したもの)の五割以上を減らして栽培された農産物。しかし、何が特別なのか分かるように、”無農薬栽培””減農薬栽培”などと付け加えられることも多い。


つまり、「無農薬野菜」よりも、「有機栽培」の方が、実は格が上だったのです!私もそうでしたが、言葉の印象で誤解していた人も多いのではないでしょうか。

そもそも、野菜は長年かかって人間が利用しやすいよう良食味、多収量の性質に改良してきたため、病害虫にたいへん侵され易い性質なのです。つまり虫にとっても美味しい。それゆえ野菜作りでは、病害虫から守る手段は欠かせない大切なものなのです。
畑に散布された農薬は、病害虫や雑草を防いだり作物の成育を調整したりする効果を発揮したあと、雨で洗い流され、あるいは日光や土壌微生物によって分解され、多くは消滅していきます。極微量が作物体に残留しても、人の健康に悪い影響を及ぼさないよう、「残留農薬基準」も設けられています。

畑をやっていて安定した作柄を得るためには、”最小限の農薬は必要”ということになります。
農薬の依存度は、生産現場よりも、むしろ家庭菜園の方が強い、という話も聞きました。生産現場では、耐病性品種を導入したり、温室やビニールハウスなどで気象環境を制御、あるいは防虫網、天敵、性フェロモンの利用などで害虫を回避・減少させるなど、お金をかけて総合的な防除体系を確立してきましたが、家庭菜園では、そうした技術改良の恩恵を受けないできたからです。といっても最近では優秀な家庭菜園家も多いように見受けられますが。

父は、「化成肥料と一口に言っても数え切れないくらいの種類がある。新製品だからといって良いとは限らない。」と言っていました。試行錯誤しながら、ここまでやってきたのだなあと思いました。特に病害虫の発生しやすい、高温多湿の梅雨が来る前に、栽培し、収穫するという調整が必要だとすれば、ほんの少しの化成肥料もやむを得ないのではないかと思いました。

野菜に農薬が使われるのは、私たちが風邪をひいたときに風邪薬を服用するのと同じ、と考えると分かり易いかもしれません。効果は永続するわけではなく、用法用量を守って正しく使用されている限り安全、という大前提があるのです。
気になる人は、信頼のおけるところで栽培された、あるいは扱っているお店を見つけて、購入すれば、より安心でしょう。

そして、安全で美味しい野菜を作ってくれる生産者さんたちに、心から敬意を払いたいと思ったのでした。


    参考文献:『からだにおいしい野菜の便利帳』  高橋書房


     オススメの本を紹介します↓
      『日本の食は安すぎる』 講談社

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ジャンル : 趣味・実用

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ちょっと見かけたのでコメントですが
「有機農産物」というのは完全な無農薬でなくてよく、確か記憶によると規定されてる20種類くらいの農薬なら何度つかってもよかったはずです。
プロフィール

nukaman

Author:nukaman
世田谷区在住 おかべなおえ
ぬか漬けの魅力を人から人へ、次世代へと伝える活動『ぬか漬けマラソン』を主宰。各所でぬか漬け講習会を開催しています! 漬け物研究家。
連絡先
nukadukemarason
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