小泉武夫先生の講演ー前編

今日は、東京農大のオープンカレッジ特別企画講座にて、小泉武夫先生『今こそ食の安全を!!放射能に負けない食生活』を受講してきました。

農大正門写真
農大の正門。11月1、2、3日には収穫祭(文化祭)を控えているので、右手には資材が。大きなイチョウの木が、銀杏をたくさん落としていました。

さて、食の安全、というテーマの内容は、
① 日本型食生活の激変
② 食料自給率の低下→輸入食品、食の安全性(日本の農・水産業の弱体化)
③ 食品添加物の安全性
④ 国際的諸問題→バイオエタノール、遺伝子組み換え
⑤ 放射能問題

についてでした。
このうち、先生が重きを置いていた、①、②、⑤について、ノートをまとめてみます。
長くなるので、今日は①と②だけ。とても面白い話でしたので、お時間のあるとき、読んでみてください〜。


①日本型食生活の激変
日本は、この60年間で、肉の使用は3.7倍、油の使用は4.4倍になった。この急激な変化が、生活習慣病の増加を引き起こしたことは明確である。同時にミネラル不足(30%減)から、「キレる」、暴力などが社会問題となってきた。
現在の長寿1位は、男女とも長野県。一昔前は、沖縄県だったので、そのイメージが強いが、実は沖縄は米軍基地が出来て(1945年/S20年)から食がアメリカ化し、日本全国の中でも、肉の摂取量最大、野菜の摂取量最少で、長寿ランクでは30位(男性)である。肉のタンパク質(R−NH2)n は、魚や大豆のタンパク質とは異なり、体の中で酸化すると(R−NO2)という発がん性物質になる。だから、“抗酸化”ということが言われ出した。

小泉先生「この状況から、沖縄の若者を救わなくては!という思いから、私は琉球大学の客員教授をやっとるんです。いったいどんな食生活をしているんだろうと調査していくと、ほんとに驚きますよ! 年配の人でさえ、朝からランチョンミートが当たり前に入ったゴーヤチャンプルー、パン、コーヒー。女の人は、「タコスライス」っちゅうもんが好きですねえ。私は聞いた時、「ほほう、沖縄の人は酢ダコを食べるのか、と思いましたけど(笑)。こんなもんが、体に良い訳ないですね。肉を食べるな、と言ってるのではないですよ。野菜(繊維)もたくさん摂りなさいよ、ということです。それと調理法。90歳を超えたおばあたちの中には、昔ながらの正しい調理法を知っている人もいます。例えば、、、白身魚を煮てほしいと頼んだら、きれいな海水を汲んできて、それだけで煮るんです。ミネラルいっぱいの、塩水で。それの旨いことと言ったら!!調味料っていったい何のためなんだ?って思いましたね。それからラフテー(豚バラ肉の旨煮)も、お土産売り場なんかで売ってるのは油がどろっと出てくるでしょう?おばあの作るラフテーは、(写真を見せながら)こんなさっぱりしたものなんです。ちゃんと体に良い調理法を知っているんです。」

その昔、琉球王朝は、シャムや中国と同盟を結び、向こうの「医食同源」「薬食同源」という考え方を取り入れて、正しい食生活を送っていた。肉は少しで、野菜をたっぷり。こうした食生活は、沖縄本島ではめっきり無くなってしまったものの、鹿児島県徳之島と奄美諸島では、調査をしたS36年のころと、現在でもほぼ同じ食べ物を食べているため、世界的に見てもビックリするくらいの健康体・長寿地域(延命ではなく、未病)となっている。この地域はもずくの産地である。また、薩摩芋の芋づるを、ずいきのようにして食べるのだが、これがものすごく免疫力を高めるのだとか。

問題にすべきは、この食生活の激変ぶりである。それは、遺伝子に逆らった食生活では、体がおかしくなってしまう、ということ。遺伝子には2種類あり、ひとつは《民族の遺伝子》・・・日本人が共通して誰もが持っている遺伝子。顔が欧米人とは違うのは、このせい。もうひとつは《家族の遺伝子》・・・家族で共通して持つ遺伝子。これからは、民族の遺伝子が、重要な課題になってくるであろう。
日本人という民族は、古来より、[根茎、菜、青果、山菜・茸、豆(大豆)、海藻、米・麦・雑穀]という7種の植物を常食してきた、究極のベジタリアン。江戸時代、病を患ったときの薬と言えば、豆腐と納豆を入れた味噌汁(納豆汁)がメジャーだった(今の食事に置き換えると、肉スープに、肉、肉、を入れて、ものすごい精力をつける食事だ(笑))。日本人は、動物に対して情を持ち易い。日本人にとって、動物は、一つ屋根の下に住む家族だという認識が強く、牛馬をたやすく食べることはなかった。串本などの捕鯨港では、取った鯨の1頭1頭に、戒名をつけているという。


②食料自給率の低下→輸入食品、食の安全性(日本の農・水産業の弱体化)
現在、農業の平均就労年齢は、68歳。水産業は、62歳である。埼玉県とほぼ同面積の39万8千ヘクタールの土地が、放置田畑となっている。この状況を変えるための、画期的な小泉提案———「若者を、再生の担い手に」。日本全国500の市町村に、それぞれ50人の若者(学生、会社員)を送り込む。授業はネットで遠隔でも可能。その間の学費、交通費、宿泊費の一部も国が負担。年間500億円で済む試算であり、農水省の予算内に軽々と収まる。琉球大や鹿児島大の学生たちにアンケートをとったところ、7、8割の学生たちが、そんな制度があったら、「ぜひやってみたい」と答えたそうだ。この制度によって、農業を復活し、自給率を高め、愛国心も芽生える!
食料自給率を上げないと、今後日本は食べ物が確実に無くなってくる。世界的な異常気象によって、輸入をストップする国が出てくるからだ。また当然、輸入食品の安全性も考えないといけない。水産量は、かつては世界最大だった日本だが、今は私たちの食べる魚の半分は、外国から入ってきている。(昔は根室、八戸など大きな漁港が津々浦々にあったが、今や最大の港は成田空港!)チリ産の安い鮭は、回遊しない養殖のせいで、病気になり易い。鮭の病気を防ぐために大量の抗生物質が投入される。それが残留して一時輸入ストップになったこともあるが、消費者は安さに目がない。しかし、ほんとに美味しい国産天然の鮭を買うことは、フードマイレージや質を考えても、また生産者存続の意味を考えても、少々高い値段を払う価値がある。



以上、小泉先生の講演内容をまとめてみました。あくまで自分のノートとして記録したいと思いましたので、間違っている部分もあるかもしれませんが、ご了承ください。
明日は、⑤について書くつもりです。

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Author:nukaman
世田谷区在住 おかべなおえ
ぬか漬けの魅力を人から人へ、次世代へと伝える活動『ぬか漬けマラソン』を主宰。各所でぬか漬け講習会を開催しています! 漬け物研究家。
連絡先
nukadukemarason
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