京町家

縁あって、築130年ほどの京都の町家を見せてもらいました。
林邸表
表から。見た目には分からないけれども、ガレージがしつらえてあります。
石畳の通りに面していて、町家保存区域に指定されているため、勝手に壊したりできないそうです。


7年前に購入し、3回の大きな改修工事を経て、ようやくこの姿になったとか。今はまだ住んでいらっしゃらないけれども、ご主人の趣味で集めた骨董品が飾られたり置かれたりして、趣がありました。「まだ住んでいないからお客様にも見せられるけど、住むとなったらこうはいかないねえ。」なんておっしゃっていました。
林邸かまと#12441;
かまど。京都人には「おくどさん」と呼ばれます。今は使っていませんが、当時この家はお茶屋だったそうで、このおくどさんで勘付けや簡単なおばんざいなんかをこしらえて、本格的なお料理は別の料理屋さんからおそらくとっていたのでしょう。床は土間ですが、その上にすのこをしいてあったそうです。底冷えのする京都の冬でも、この台所に立っていた女性たちのことを思うと頭が下がります。

林邸おくと#12441;さん
通り庭の様子。
おくどさんには排煙機能が必要です。この台所だけは吹き抜けになっていて、見上げると横に渡した柱が丸見えになっていて、ダイナミックに見えました。この広く取った空間は、採光の意味合いもあるとか。

箱庭
良く手入れされた坪庭。写真右手に映っているのは、ご主人が植えたという北山杉。まだ若い杉が、空へ向かってまっすぐ伸びていく様は、見ていて気持ちの良いものでした。
夏は、この坪庭に水を撒いて、涼しい風を呼び入れるのですね。そもそも町家は、厳しい京都の暑さ寒さを和らげる工夫がなされている、システムハウス。とはいえ、こうして実際に見てお話を伺っていると、現代の快適な家に慣れている私たちには、絶えられないような住み心地の悪さがあるようなんです。
町家暮らしもいいな...なんて安易に考えていましたが、敢えなく断念(笑)。


ぬかて#12441;磨いた床
坪庭の見える渡り廊下。ピカピカ、つるつるしてる!!ここだけでなく、汚れた家中の床をご主人と奥様とで磨いたら、生き返ってきたそうです!その秘密は、ヌカ♪ そう、ぬかを入れた袋を押し付けるようにして磨くと、きれいになるそうなんです。ヌカのこんな利用法もあったんですね~。

他にも、お二階には”隠し戸”(見た目には戸があるとは分からない。隠し部屋に通じる)があったり、はしごが降りてきて、登るとそこから五山の送り火が見られるような仕掛けがあったり、欄窓の飾りや襖などにはお部屋ごとに物語があったり、珍しい”釘隠し”が施されていたり、細部にわたり面白く、もっとゆっくり時間をかけて見学したいものだと思いました。息子は「忍者屋敷みたいだ」と言っておもしろがっていましたが、「住みたい?」と聞くと、「う~ん、暗くて怖いかな」。

今や外見だけ町家の”町家風”の家が増えている中、できるだけ当時の姿に復元したい、という家主さんに買われて、この家は幸せだなと思いました。それにしても、中身まで、つまりこの家が現役だったころの生活そのものを物語るような形で残してもらえるのは、たいへん貴重であり、京都府が補助金を出してまで保存に努めるのは当然のこととして、人々が、これからももっと町家に興味を持ち、なぜこうした町家を保存するべきなのか考える人が増えればいいなあと思いました。

テーマ : 和風、和物、日本の伝統
ジャンル : 趣味・実用

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

nukaman

Author:nukaman
世田谷区在住 おかべなおえ
ぬか漬けの魅力を人から人へ、次世代へと伝える活動『ぬか漬けマラソン』を主宰。各所でぬか漬け講習会を開催しています! 漬け物研究家。
連絡先
nukadukemarason
@gmail.com

カテゴリ
最新記事
リンク
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム