何を信じる?

原発の危険性を訴え続けて40年、京都大学原子炉実験所教授 小出裕章(こいでひろあき)著『原発のウソ』を読んで、ため息を何度もついてしまいました。前日記に「特に小さいお子さんがいる家庭では、できるだけ安全策をとっておく方が良いのかもしれない」と書いた理由はこの本に書いてありました。

・「安全な被爆」は存在しない
『日本政府やマスコミは放射性物質が検出されるたびに、「ただちに健康に影響を及ぼす量ではありません」「ただちに避難の必要はありません」と繰り返してきました。「ただちに」というのは「急性障害は起きない」という意味です。被爆することによって死んでしまったり、髪の毛が抜けたり、やけどをしたり、下痢になったり、吐き気がしたりすることを「急性障害」といいます。政府やマスコミは「すぐにそういう症状が出ることはありませんよ」と説明しているわけです。
・・・後々で被爆が出ることがあります。5年経ってから、20年経ってから、あるいは50年経ってから被爆が原因でがんになってしまう人たちが出てくることを、広島、長崎の被爆者が教えてくれました。・・・「被爆」とは、私たちの体を作っている分子結合の何万倍、何十万倍ものエネルギーの塊が体内に飛び込んできて、遺伝情報を傷つけることです。被爆量が多ければ、火傷、嘔吐、脱毛、著しい場合は死などの「急性障害」が現れます。
しかし、ちょっとDNAに傷がついた程度でも、その傷が細胞分裂で増やされていくわけですから「全く影響がない」なんてことは絶対に言えません。「人体に影響のない程度の被爆」などというのは完全なウソで、どんなにわずかな被爆でも、放射線がDNAを含めた分子結合を切断・破壊するという現象は起るのです。』

・「若ければ若いほど死ぬ確立は高くなる」
『被爆によって受ける被害には年齢の依存性があって、若ければ若いほど放射線の影響が強くなるからです。そのことは人間の誕生と成長を振り返ってみればすぐに分るでしょう。一つの細胞が分裂を繰り返すことで胎児になり、人間らしい形になり、赤ん坊として生まれ、成長して大人になっていきます。その細胞分裂が活発な時期に被爆すれば、放射線によって損傷を受けた遺伝子もどんどん複製されていくことになります。それで小児がんや白血病が引き起こされるのです。
同じ量の放射線を浴びるのであれば、大人よりも子どもの方が被害を多く受けます。20~30歳代の大人に比べれば、赤ん坊の放射線感受性は4倍にも高まります。逆に年をとればとるほど放射線の影響は少なくなっていきます。平均的な放射線感受性を持つのは30歳くらいの人とされていますが、徐々に放射線に対して鈍感になっていき、50歳になると放射線によるがん死の可能性は劇的に低下します。
繰り返しになりますが、私の結論はこうです。
どんな汚染でも生じてしまった以上は否定してはいけない。「汚染されている事実」をごまかさずに明らかにさせたうえで、野菜でも魚でもちゃんと流通させるべきだということ。そして「子どもと妊婦にはできるだけ安全と分っているものを食べさせよう。汚染されたものは、放射線に対して鈍感になっている大人や高齢者が食べよう」ということです。』
原発のウソ_convert_20110623114004


長く引用させていただきました。
3.11の事故後、政府は危機的状況を分っていたにも関わらず、隠していたのです。もっと非難区域をはじめから広くとって、住民を避難させるべきでした。人命が何より優先なはずです。こんな基本的なことを、なぜできないのでしょうか。私は、「政府は分っていた」のではなく、「本当にその危機を知らなかった」もしくは「それでも大丈夫だと信じて疑わなかった」のではないかと思います。原発推進派の研究者には莫大な研究費が国から出ますが、反原発の研究者には全くお金が出ません。「原発は安全でクリーンでエコ」というメディアを使った洗脳もあり、小出教授が訴え続けてきたことに耳を貸す人などいなかったのです。東電と政府役人、原発を置いている県知事や役人、さらには放送局や新聞などのメディアとは、がっちりと利権が絡んでいるのではないかと疑わざるをえません。小出教授は関西のテレビには少し出ましたが、関東では全く見ませんでしたよね。

不幸にも、事故が本当に起きてしまった今、この人の言うことに真剣に耳を傾ける人が増えてきました。私もそのひとりです。「無知は罪」であることをあらためて感じます。特に国の政治を司る人たちには、肝に銘じていただきたいことであります。

人の命だけでなく、ふるさとや地元の産業まで奪ってしまう原発。もう、即刻全廃するべきです。
事故がおきてしまった以上、それに対応して生活していかなければなりません。そして、危機的状況は未だ続いています。私たち大人ひとりひとりが、何を信じるかを選択していかなければならないのでしょうね。


【お知らせ】
6月29日(水)のぬか漬け講習会は、定員に達しました。ありがとうございます!

テーマ : 東北地方太平洋沖地震
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Author:nukaman
世田谷区在住 おかべなおえ
ぬか漬けの魅力を人から人へ、次世代へと伝える活動『ぬか漬けマラソン』を主宰。各所でぬか漬け講習会を開催しています! 漬け物研究家。
連絡先
nukadukemarason
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