灰汁巻き

初めて見る食べ物で、こんなに想像もしがたい未知のものに久しく出会ったことがありませんでした。これは、『灰汁巻き』です。熊本県民のお友だちにいただきました。
灰汁巻き 全景
見た目はグロテスク(?)これ自体は、ほとんど味がしません。九州の特定地方では、端午の節句に各家庭で作られて子どもたちが食べるのだそうです。
冷めても、固くならないで美味しい♪

アク巻き

息子は「えー、気持ち悪いよ~」と言っていたのに、黒蜜ときな粉をかけて一口入れると、、、「うん!? おーーいしい!!」と大絶賛。幼稚園からのアンケート項目の「好きな食べ物は?」の答えに、「これ!これにする!!!」なんて場当たり的なことを言っていました(笑)。そう書いたってほとんどの人は知らないんじゃない?

Wikipediaによると、この『灰汁巻き』は、「予め一晩ほど灰汁(あく)に漬けて置いたもち米を、 同じく灰汁または水に一晩漬けておいた竹の皮などで包み、麻糸や竹の皮から作った糸で縛り、灰汁で3時間~半日程度炊いたもの。」とあります。灰汁で炊くだけにアルカリ性食品でもあり、ミネラル類が多く含まれるそうで、子どものおやつにはうってつけ。

歴史を遡ると、《以下Wikipediaより》始まりは、薩摩藩が関ヶ原の戦いの際、または豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に日持ちする兵糧として作ったといわれる。ただし他にも諸説あり、農家の田植え時の保存食、日本に伝来した粽の当初の形がこの地域のみ残った説、平家の落人により伝えられた説、たまたま焚き火に落としたおにぎりが腐らなかったのを見つけた説などもある。また西南戦争の際にも西郷隆盛が保存食として持参しており、これを機に薩摩藩外の宮崎県北部や熊本県にも広く普及することとなった。
保存性で灰汁巻きを見ると、長時間煮ることによる滅菌、木の成分による抗菌、アルカリ環境による雑菌繁殖の抑制、竹の皮による抗菌、と実に複合的か つ合理的に出来ている。兵糧で多かった干し飯と比較しても、保存性や食べやすさ等で優れており、朝鮮出兵の際も他国の軍勢は兵糧が尽きる中、薩摩の軍勢だけは灰汁巻きで腹を満たしたと言われている。



こんなに素晴らしい知恵の産物である灰汁巻きですが、里山の減少や囲炉裏や竈が各家庭から失われたことで木灰と縁遠くなり、更に核家族化・都市化に より、作り手や機会が減少しているのは、想像に容易いことです。それでも、近年、郷土菓子として、また合成保存料・合成添加物を使用しない手作りの素朴なスローフードとして注目されているというのは、喜ばしいことですね。
材料や作り方に違いはあるものの、灰汁巻きは他地方でも作られているようです。山形県の庄内地方、長崎県、種子島、屋久島など。


《参考》
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%82%E3%81%8F%E3%81%BE%E3%81%8D

テーマ : 和風、和物、日本の伝統
ジャンル : 趣味・実用

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Author:nukaman
世田谷区在住 おかべなおえ
ぬか漬けの魅力を人から人へ、次世代へと伝える活動『ぬか漬けマラソン』を主宰。各所でぬか漬け講習会を開催しています! 漬け物研究家。
連絡先
nukadukemarason
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